【楠田亜衣奈LIVEレポート】くっすんと、あそんできたよ。【Next Brilliant Wave】

      2016/09/26

楠田亜衣奈1st Live Tour「Next Brilliant Wave」、東京 昼の部。
アルバム自体は聴き込んでいたものの、くっすんのライブは、これが初参戦だった。

正直言って、めちゃくちゃ楽しかった。初参戦にもかかわらず、前から4列目の左端という訳の分からない席にいた僕は、ライブ中にくっすんが目の前に来るたびに、心拍数が跳ね上がった。もう、目の前が楠田亜衣奈なのだ。視界が、楠田亜衣奈なのだ。すぐ目の前にくっすんが来ても、ゾンビのようにのたうち回るくすサポが周りにおらず、「この人たちはお渡し会に行きまくってて、耐性がついてるのか?」と疑うレベルで、僕の興奮度数が脳天をぶち破っていた(もちろんその時の僕の顔は、周りから浮かないように平然を装う紳士ぶりである)。

よく、「目が合ったー!」というオタクがいる。あれの9割は、悲しきオタクの勘違いである。だが、今回は胸を張って言いたい。僕はくっすんと、5回は目が合った。間違いない。と、まあ、くっすんの圧倒的佇まいにとにかく興奮しまくりのライブだったわけだが、想像を遥かに超えて、ライブでの楽曲も素晴らしいものだった。

その日くっすん皇帝は、愉快なドラムの音と共に、旗を振りながらステージ横から入場してきた。くすサポは大歓声を上げてツアーグッズの旗を振り、彼女を熱烈に歓迎する。僕はこの時ふと、「王の帰還」という文字が頭に浮かび、「アルスラーン戦記」っていいアニメだったよなと、くっすんと全く関係のないアニメに思いを馳せた。

そして、2ndアルバム『Next Brilliant Wave』の最初に収録されている『Infinity Memories』からライブは幕を開けた。まず印象的だったのは、ダンスである。さすがくっすん皇帝、とにかくダンスのキレがすごい。残念ながら僕は圧倒的にダンスの知識がないため、文章で表現できないのが本当に悔しい。次に歌った『恋愛対象Countdown』含めて、肩から指の先まで、スッ!スッ!カクッ!カクッ!と、なめらかに、あるいは鋭利に。下半身は、ブレずに、舞うように。彼女を追う目が、ひたすらに楽しいと脳に訴えかけてきた。

次にMCを挟むくっすん皇帝。水分補給中に、もはや聞こえない現場の方が少ない「お水美味しい?」コールが響き渡る。しかし面白いことに、この質問に答えたのはくっすんではなく、くすサポだった。くっすん曰く、「お水飲んでる最中に言われても答えられない」、「そしたらいつからかくすサポの皆が代わりに答えてくれるようになった」、らしい。昨今いろいろ言われる「お水美味しい」問題だが、こういうギミックに富んだ演出(というのはふさわしくないかもしれないが)になっているのであれば、それはそれで楽しいものである。

さてそこから、『内気なバービー』、『硝子のバタフライ』、『Nameless mind』と連続で披露するくっすん。この中で特筆すべきは、『硝子のバタフライ』と、『Nameless mind』だろうか。この二曲は、くっすん楽曲の中でも特にロックテイストで、重みのあるくっすんの歌声に思わず頭を振ってしまう。生バンドでのライブということもあり、その迫力は底知れずであった。ところで『Nameless mind』は「μ'sのLOVELESS WORLDに似てる」と言われることがあるそうで、それもそのはず、作曲家さんが同じなのだ。

ここで二回目のMCが入るのだが、激しい曲を歌ったあとにも関わらず、気の抜けるようなトークをし出すくっすんに、「ああ、くっすんだ・・・」とクスクスしたのを思い出す。モニターに映る「ご当地MCを!」という文字を読み上げてバラすところから、もうそれは始まっていた。お台場の思い出はどうやらないようで、直近に行ったリリースイベントで喝入れをしたことを楽しげに話すくっすん。お客さんからの声もかなり拾っており、比較的大きな箱でも、距離を感じさせないMCだった。その中でところどころ水を飲むくっすんに「お水美味しい?」という声がかかり、「もうそのくだり飽きた」と言い放つくっすんは、やはりさすがである。

さらにそこから『ラブリージーニアス』の振り付け講座が始まるのだが、教えそうで教えないフェイントをかましたり、このくっすん、本当に楽しそうである。お次は『トドケ ミライ!』、ここに来て1stアルバム『First Sweet Wave』からの楽曲が挟まれる。そして8曲目の『群青シネマ』のとき、僕は魚だった。よく分からないがなぜかこの曲を聴くと、水族館にいる気分になるのである。しかも、水槽に入って泳いでる魚側である。特にそういう歌詞があるわけでもないのだが、そういう雰囲気になるのだ。9曲目にあたる『進化系HEROINE』は、とにかくイントロから素晴らしい。この曲のときのくっすん皇帝のヒロイン力は、「名探偵コナン」における灰原哀に匹敵するものだった。ちなみにこのアニメも、くっすんには直接関係はない。

その後、三度目のMCではバンドメンバーが紹介されたのだが、バンドメンバーが音を出すたびに、手を胸の辺りまで上げて、戸棚の埃をはたき落すかのように旗を振るくっすんが印象的だった。手を肩より上に上げるのは億劫だが、旗を振って楽しみたい。結果、埃叩きをするオカン的な風貌になってしまったのではないかと、僕は勝手に推測している。そして、問題の『magic』という曲が始まった。何が問題なのかと言うと、この曲のとき、くっすんが僕のいる付近の目の前に来て、しゃがんだのだ。くっすんのツイッター等をご覧いただければ分かるのだが、あの衣装でしゃがんだのだ。しゃがんだのだ。綺麗な足をぴったりくっつけたまま、しゃがんだのだ。それはもう、magicにかかりますわ。11曲目には、僕の大好きな『HO♡HOLIDAY』、さらに『Heart's cry』、『夢のつぼみ』と、1stアルバムから3曲続けての披露だった。

四度目のMCを迎え、くっすんは開口一番、「楽しいね!」と叫ぶ。モニターの画面が消えたことをあっけらかんに喋り出したり、噛んでしまって「なかったことにして!」と言ったり、「リルリルフェアリル」の宣伝を入れたり、最後の曲の前でも、くっすんはくっすんだった。そして迎えた12曲目に『POWER FOR LIFE』を歌い上げ、くっすんは笑顔でステージを降りた。

その後、くっすんコールが響いて、アンコールに戻ってくる皇帝。『First Sweet Wave』を歌い、彼女の、彼女らしい最後のMCへと繋げる。チラシを見ながらお知らせをしたり、「私ね、このライブ全通したんだよ!」と自慢をしたり、自分から話を振っておいて、「その話はいいんだよ!」と強引に打ち切るくっすん皇帝。もはやあの場にいて、彼女の虜にならない人間はいなかっただろう。

そこで彼女は、次のようにも話した。

「みんなと一緒に遊べて嬉しい!」

「私もたくさん大変なこともあるけど、みんなの顔を見て頑張れる。」

「みんなにとっての私も、(会って頑張れるような)そんな存在になれたらいい。」

「みんながフラッと帰ってこれるような場所に、これからもしたい。」

くっすんはこのライブで何度も、「遊ぶ」という表現を使っていた。僕は、自身のライブを「みんなと遊べる機会」と表現した人を他に知らない。その言葉に偽りはなく、ライブ中ずっと、くっすんは楽しそうだった。僕らくすサポも、本当に楽しんでいた。くっすんは、「みんなに元気を与えたい」という話をする前に、「自分がみんなから元気をもらっている」と感謝を示した。お客さんを引っ張る力はあっても、「私についてきて!」とは言わないくっすん。「一緒に遊ぼ?」、その姿勢を崩さない、そんなくっすんに惹かれ、そしてついて行きたくなるのだろう。『My yesterdays』、そして『オーマイダーリン』を歌い終えたくっすんを目の前にして、楽しく遊び尽くしたという気持ちを、僕は間違いなく感じていた。

くっすんのライブは、幼稚園の校舎で、真っ白なキャンバスに、彼女が絵の具で好き勝手に塗りたくる、そんなライブだったと思う。時折僕らも絵の具を持って、そのキャンバスを彩っていく。そうやって、一緒に遊ぶ。この日完成した絵を、僕は記憶に飾っている。これからもくっすんは、多くの絵を描いていくのだろう。描かれるキャンバスは、どんどん大きくなるはずだ。それがどんなに大きくなっても、いつだって、誰だって、くっすんと遊びたい気持ちがあれば、遊べる場であり続けるのだろう、そんな予感のするライブだった。

image

東京昼の部 セットリスト
1.Infinity Memories
2.恋愛対象Countdown
3.内気なバービー
4.硝子のバタフライ
5.Nameless mind
6.ラブリージーニアス
7.トドケ ミライ!
8.群青シネマ
9.進化系HEROIN
10.magic
11.HO♡HOLIDAY
12.Heart's cry
13.夢のつぼみ
14.POWER FOR LIFE
アンコール
15.First Sweet Wave
16.My yesterdays
17.オーマイダーリン

次回更新予定:『新田恵海 LIVE 2016 EAST EMUSIC ~つなぐメロディー~』パシフィコ横浜公演感想




 - ライブ